ラブコメと戦争が意外なハーモニーを奏でる『機動戦艦ナデシコ』
今回ご紹介するのは、SFロボットアニメ『機動戦艦ナデシコ』。「ロボットアニメ」というと、多くの方は『機動戦士ガンダム』や『新世紀エヴァンゲリオン』を思い浮かべるかもしれない。しかし、今回ご紹介する『機動戦艦ナデシコ』という作品は、これらの人気作に勝るとも劣らない名作である。
ネット上での評価
ロボット好きでナデシコ嫌いな人は見た事ないなぁ。やっぱ名作だな
— ふぉる (@Fol_8901) 2010, 9月 27
TSUTAYAでナデシコ借りてきた!イロモノ扱いもされるけどちゃんと戦争やってるしロボットアニメの基本をしっかり押さえてるむしろ王道な名作だと思うんだけどなー。
— サイクロン小平 (@sogakodaira) 2012, 8月 3
ナデシコはエヴァの影に埋もれてしまった90年代ロボットアニメ名作の一角
— りねすき (@Reinforce_1st) 2014, 7月 28
起動戦艦ナデシコ見直してる。人型ロボット系アニメはこれしか見た記憶がない
— テメテメテメ (@TemeZanji) 2015, 6月 20
悲惨な戦争を描く
突如現れた「木星蜥蜴」と呼ばれる生命体と戦う人類。『機動戦艦ナデシコ』は、否応なく木星蜥蜴と人類との戦争の渦に巻き込まれていく少年少女たちを描いた作品。SFとしての要素もふんだんに取り入れつつ、これまでロボットアニメの系譜をしっかりと受け継いでいる。ストーリー自体は非常にシリアス。悲惨な戦争に巻き込まれていく少年少女たちの感情を、見事に描き切っている。
ラブコメとしての要素
宇宙戦艦やリアルロボットを題材としながらも、非常に色濃くラブコメ的要素を反映しているのがこの作品の大きな特徴だ。そして非常に印象的なのが、戦争をしている最中とは到底思えないような登場人物たちのコミカルなやり取り。主人公の少年・アキトは、幼馴染の少女・ユリカを含め、ナデシコのクルーから好意を寄せられつつ物語は進んでいく。これはまさにハーレム展開の典型ともいえるが、これがいつ命を落とすとも限らない激しい戦争の渦中で繰り広げられていることに、多少の違和感さえ感じてしまう。
ラブコメの視点で戦争をみつめる
しかしその違和感は、この『機動戦艦ナデシコ』という作品が名作たる所以なのかもしれない。ハーレムや戦争といった要素は、これまでのアニメにおいて幾度となく描かれてきたテーマであり、特段の目新しさを感じるものではない。しかし、この2つが1つの作品で描かれた結果、これまでの作品とは大きく性質を異とする作品が生まれたのである。
ナデシコに登場する少年少女たちは、「明日自分が死ぬかもしれない」という状況においても、必死に恋をして、傷ついたり勇気づけられたりしていく。むしろ年端もいかない彼らにとっては、戦争という現実を真正面で受け止めらることの方がよっぽどおかしいことなのかもしれない。戦争という受け入れがたい現実にに背を向けて、恋愛に勤しむ方がよっぽど健全だとも思えてくる。
そして、そんな彼らの生き様から、よりリアルな戦争の恐ろしさを再認識することができるかもしれない。
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