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原作とは違うもう一つのエンディング『シャーマンキング』


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数あるジャンプ作品の中でも絶大な人気を誇った作品の一つである『シャーマンキング』。あの世とこの世を結ぶ者・シャーマンを題材とした作品として知られるこの作品は、そのアニメ版で原作の漫画とは全く異なる結末を迎えることになった。

原作漫画は打ち切り

原作の連載は、1998年6月(31号)から2004年8月(40号)まで6年もの間に渡って続いた。しかし、当初の絶大な人気とは裏腹に終盤は読者アンケートでも下位に低迷することが続き、急激な読者離れが進む。そして、遂に打ち切りが決定してしまい物語半ばで幕を閉じることになったのである。そのエンディングはなんとも強引で、当時大きな波紋を呼んだことは記憶に新しい。また、その最後のカットには果物の「みかん」が添えられており、作者である武井氏が「未完」のまま打ち切りとなったことに対する悔しさを滲ませたことも見て取れる。

アニメ版の放送

一方、アニメ版の放送は2001年7月から2002年9月までの2年間に渡って行われた。原作の連載が続いている状況での放送開始ということもあり熱狂的な盛り上がりを見せたが、アニメ中盤には原作の内容に追いついてしまい独自のルートを辿ることになる。
全64話という中途半端な尺で終わってしまったが、ファンの心(魂)をしっかりと掴んだことは確かだ。

原作とは異なる真のエンディング

さて、原作とは異なるアニメ版のエンディングとはどのようなものだったのかというと、それは何ともありふれた結末だった言わざるを得ない。ただし、何もありふれた結末が悪いと言っているのではないことを付け足しておく。なぜなら、時としてそれは最良の選択となるからだ。
物語というのは、長く続けば続くほど終わらせ方が難しくなる。だからこそ、それまで貫いてきた一つの目的を達成し、もう続きが想像できないぐらいすっきりとしたエンディングを迎えるのが無難である。
そういった意味では、アニメ版シャーマンキングは観終わった後に爽快感を感じるような素晴らしい作品だったといえるだろう。また、実はアニメは原作を追い抜いてしまったため、原作よりも先にアニメ版がエンディングを迎えている。その意味では、アニメ版のエンディングこそ、シャーマンキングという作品における“トゥルーエンド”だったのかもしれない。