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『主に泣いてます』レビュー!美人過ぎるが故の苦悩を描いたシュールギャグ!


今話題の漫画を読んでその感想をレビューする連載企画第2弾。今回の作品は、もはや言わずと知れた超人気漫画家・東村アキコ先生のシュールラブコメ『主に泣いてます』です。

本作は現代を舞台に、絶世の美女がその美貌ゆえに不幸な人生を歩んでいく様子を描いたラブコメ作品。ストーリー性がありつつも、終始シュールなギャグが挟まれているため気軽に読み進められます。

今回は僕が本作『主に泣いてます』を読んだ後の感想・評価をレビューすると共に、本作の概要やあらすじ、見どころも簡単に解説していきます!

『主に泣いてます』とは?

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東村アキコ先生の完結済みシュールギャグ漫画!

本作『主に泣いてます』は、「モーニング(講談社)」にて2010年3月から2012年12月まで連載された漫画。コミックスは全10巻で完結済みです。

作者は『東京タラレバ娘』や『海月姫』などの超人気作で知られる東村アキコ先生。『海月姫』はTVアニメ版と映画に加え、2018年1月15日からフジテレビにてTVドラマがスタートします。主演はNHK朝の連続テレビ小説『花子とアン』にも出演した芳根京子さん。今から放送が楽しみです!

概要・評価

本作『主に泣いてます』は、2012年7月には菜々緒さん主演で実写ドラマ化も実現しました。随所にちりばめられたシュールなギャグと奇抜な設定で読者を飽きさせない傑作で、男性・女性を問わず高い評価を受けています。

しかも、「ヒロインが絶世の美女で周囲の男性にモテまくる」という基本設定を聞くと、ありきたりな物語のような気がしてしまいますが、本作は全くそんなことはありません!

この作品は、「世の中には美人だけど不幸な人はたくさんいる」という点を深く掘り下げている点が特徴的。これは、東村アキコ先生の実体験から着想されたと、コミックス第1巻のあとがきで語られています。

物語のあらすじ

死にもの狂いで非モテ道!あり余る美貌が故、絶対的不幸に苛まれる美人絵画モデル・紺野泉(こんの・いずみ)。涙腺、ゆるゆる。幸せ、ぽろぽろ。あの手この手で“非モテ道”に邁進する川沿い美人協奏曲、開演。これこそ、誰も描かなかった不幸――東村ワールド、炸裂です!!

出典:eBookJapan

舞台は現代の日本。主人公は、その美貌で就職面接やアルバイト中に、職場の男性から執拗なまでの求愛を受けてしまう女性・泉です。彼女を好きになってしまった男性は、妻そっちのけで泉に求婚したり、大学を中退して泉をストーキングしたりと、その人生を大きく狂わされてしまうほど泉に見惚れてしまいます。

ある日、泉が絵画モデルを務めるアトリエに代打の講師として呼ばれるのが、芸大に通う男子学生の赤松啓介(あかまつ けいすけ)。アトリエで美大受験のために絵画を勉強し、泉のタニマチでもある緑川つね(みどりかわ つね)は、啓介がモデルである泉を見て恋に落ちないように、過剰なまでの予防線を張っていきます。

『主に泣いてます』の見どころ

軽快なギャグが盛り沢山!

『主に泣いてます』最大の魅力は、とにかく軽い気持ちで読めるという点です(笑)

たとえば、ヒロインの紺野泉(こんの いずみ)が周囲の男性に惚れられないようにするために、水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』に登場する妖怪たちの仮装?をしたり、落語家の春風亭小朝さんとの離婚で話題となった泰葉さんのヒット曲「フライディ・チャイナタウン」のモノマネをしたりと、終始読者の期待を裏切らないハイテンションなギャグが登場します。

ちなみに、「やや古いかな?」と思うギャグもありますが、そこは軽快に読み飛ばしてしまいましょう!(笑)

登場人物たちが面白い!

『主に泣いてます』には、ヒロインの泉をはじめ非常にキャラの濃い登場人物が揃っています。

泉さんとの絶妙な掛け合いで読者を笑いに誘うのが、泉がモデルを務めるアトリエで美大受験のために勉強する女子中学生の緑川つね(みどりかわ つね)。キャラクターデザインは東村アキコ先生の作品にぴったりな“黒髪おかっぱ”。泉のことを守りつつ、泉に過度なコスプレや変装をさせたり、夜逃げの手引きをしたりと中学生とは思えない行動力で物語を引っ張ってくれます。貧乏な泉を金銭面で援助する、“タニマチ”(※野球や相撲などにおいて無償で多額の援助をしてくれる人のこと)という立ち位置も良い味を出していますね。

もちろん、つねの他にも魅力的なキャラクターが続々と登場するので、ぜひお気に入りキャラクターを見つけてみてください!

ヒロインの泉が身も心も美しい!

絶世の美女であるヒロイン・泉は、日本を代表する天才画家・青山仁(あおやま じん)の愛人。しかし、健気に仁のことを想い続ける純情ぶりに心打たれます。圧倒的に美しい容姿を持ちながらも、決してそれをひけらかさない謙虚な性格も◎。なんとか幸せになってほしい…!とどうしても応援したくなってしまいます。

『主に泣いてます』の総評

総合評価:★★★☆☆

『主に泣いてます』は、男性にも女性にもおすすめの気軽に読める良作でした。僕個人の総合評価は5段階の「3」です。終始同じようなテンポで話が進んでいくため、飽きっぽい方は要注意。とはいえ、完結済みの作品でコミックスも10巻までなので、一気に読めると思いますよ!

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まんがの大博覧会 第16弾:ギャグまんが編