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冴えないオヤジがヒーロー?SF漫画『いぬやしき』が最高に面白かった


今話題の漫画を読んでその感想をレビューする連載企画の第14弾。今回の作品は、『GANTZ』でお馴染みの漫画家・奥浩哉先生の次なる話題作『いぬやしき』です。

本作は、冴えない58歳のサラリーマンがある日突然、兵器ユニットを備えた機械の身体になってしまうという物語。この力を活かして様々な人の命を救っていく様子を描いていたSF感動作です。

今回は僕が本作『いぬやしき』を読んだ後の感想と共に、本作の概要やあらすじ、見どころも簡単に解説していきます!

『いぬやしき』ってどんな作品?

『GANTZ』でお馴染み奥浩哉先生の次なる話題作!

本作『いぬやしき』は、アニメ化や実写映画化も行われた超人気SFアクション漫画『GANTZ』の作者である奥浩哉先生の準新作。連載自体は「イブニング(講談社)」にて2017年7月に終了しており、コミックスは全10巻で発売中です。

同じ作者ということもあり、今回の『いぬやしき』の物語の中にも随所に『GANTZ』の描写が入ってくるので、未読の方は『GANTZ』も併せて読んでおくことをおすすめします。

『いぬやしき』の概要とあらすじ

老年を迎える冴えないサラリーマン・犬屋敷壱郎は、会社や家庭からも疎外された生活を送っており、ようやく購入した一戸建てすらも、家族の歓心を得ることができなかった。追い打ちをかけるように胃ガンだと診断され、余命3か月を宣告される。ガンのことを家族に打ち明けるタイミングが見つからず、打ち明けたとして家族が悲しんでくれるか思い悩む犬屋敷だったが、犬の散歩中に、高校生・獅子神皓と共に非常に小さな宇宙人による事故に巻き込まれ死亡してしまう。事故を隠蔽したい宇宙人によって、生前の記憶や精神を持った機械の身体となって蘇る。

出典:Wikipedia

舞台は現代の日本。主人公は、家族からも腫れ物扱いをされている58歳のサラリーマン・犬屋敷壱郎(いぬやしきいちろう)。58歳には見えない老けた外見のせいで、周囲からはジジイ呼ばわりされ、遂には身体にガンがあることを宣告されます。

しかし、家族にそのことを相談できずに悩んでいた壱郎は、公園で犬と一緒に泣き崩れるのですが、そんな矢先に壱郎は不可思議な現象に巻き込まれて次の日の朝、その公園で目覚めます。その後普通に会社へ向かおうとした壱郎は、次第に自分の身体が昨日とは全く別のものとなっていることに気づき…?(続きはぜひ漫画本編で!)

実写映画は2018年4月20日(金)よりロードショー!

いぬやしき MOVIE EDITION(1) (イブニングコミックス)

そして実写映画の上映も遂にスタートしました。主演の犬屋敷壱郎役を務めるのは、とんねるずの木梨憲武さん。そして、獅子神皓役を演じるのは実力派イケメン俳優の佐藤健さん。その他のキャストも、三好彩花さんや二階堂ふみさん、伊勢谷友介さんや本郷奏多さんなど豪華な俳優陣が揃っています。

僕はこの記事の執筆時点ではまだ観られていないのですが、原作漫画よりもさらにアクションシーンに磨きをかけているのがよくわかる予告映像も併せてチェックしてみてください。

youtu.be

『いぬやしき』の見どころはここだ!

ジジイがヒーローで、イケメン高校生が悪役!?

本作のもう一人の主人公とも言えるのが、イケメン高校生の獅子神皓(ししがみひろ)。この少年も壱郎と同じく公園で事故に遭い、機械の身体となってしまいます。

獅子神も壱郎と同じように、自分が生身の人間ではなくなってしまったことに苦悩しますが、彼が自分の生を見出したのは、なんと“誰かの命を奪ったとき”。これにより殺人鬼として目覚めてしまった獅子神は、無差別に民家を襲う連続殺人事件を引き起こしてしまいます。

この事件をいち早く察知し、食い止めようと対峙するのが犬屋敷壱郎。壱郎は獅子神の殺人を止めるのことができるのか?そして、獅子神の心は救われるのか?そんなところに注目してみてください!

犬屋敷壱郎が生まれてきた意味

娘には一切口を聞いてもらえず、家族での外食には同行できずに家で一人出前の蕎麦を食べる…。息子の友達には「あいつ何が楽しくて生きてるのかな?」などと侮辱され、電車ではマナーの悪い若者を注意しようと試みるも、相手の剣幕に推されて結局何も言えない…。

人一倍正義感が強いのに、自分には全く自信が持てない犬屋敷壱郎は、自分自身のことも好きになれずにもがいていました。しかし、壱郎は機械の身体を手に入れたことで“誰かの命を救う”ということに大きな喜びを見出します。次第に壱郎自身の言動にも変化が生まれ、困っている人を助けるヒーローとしての道を歩み始めます。

果たして壱郎は、自分の生にどんな価値を見出すのか?そして、大切な家族との仲を取り戻すことができるのか…?といったところも本作の大きな見どころです。

『いぬやしき』の個人的な評価

おすすめ度:★★★★★(絶対に読んでほしい!)

『いぬやしき』のおすすめ度は、5段階の「5」としました。SF作品としてはやや設定の甘さというか、強引さはあるものの、それを補って余りあるほどのスピード感と臨場感で大いに楽しめる作品です。

中だるみなども一切なく、最後まで続きが気になって一気に読み切ってしまいました。全10巻というボリュームも一気読みにはぴったりなので、週末や長期休みを使ってぜひ読んでみてください!

なお、eBookJapanほか主な電子書籍ストアでは、今回の実写映画化を記念したキャンペーンが開催されています。なんと原作漫画の第1巻と第2巻が無料で読めるほか、全巻セットも20%OFFで購入できるお得なキャンペーンです。電子版限定の実写カバー版も配信されているので、この機会をぜひお見逃しなく!

映画「いぬやしき」公開記念フェア|eBookJapan