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『不能犯』レビュー!立証不可能な殺し屋の新感覚クライムサスペンス!


今話題の漫画を読んでその感想をレビューする連載企画の第5弾。今回の作品は、新感覚のクライムサスペンス漫画『不能犯』です。

本作はマインドコントロールによって法律的には立証不可能な殺人を繰り返す謎の男の物語。依頼人からの殺しの依頼を特殊な手口で遂行し、人間の醜い感情をもてあそぶ新感覚のサスペンスドラマです。

今回は僕が本作『不能犯』を読んだ後の感想・評価をレビューすると共に、本作の概要やあらすじ、見どころも簡単に解説していきます!

『不能犯』とは?

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グランドジャンプにて連載中の新感覚クライムサスペンス!

『不能犯(ふのうはん)』は、2013年4月より「グランドジャンプ(集英社)」にて連載中の漫画。コミックスは既刊7巻です。

原作を担当するのは、心理戦や催眠術などの題材を得意とする漫画原作者の宮月新(みやつき あらた)先生。そして作画は『ウロボロス -警察ヲ裁クハ我ニアリ-』などで知られる神崎裕也(かんざき ゆうや)のタッグです。

物語のあらすじ

数々の変死事件現場にあらわれる謎の男・宇相吹正。しかし、誰も彼の犯行を証明することができない。人は彼を、犯罪を実証することができない容疑者「不能犯」と呼ぶ…。憎悪、嫉妬、欲望そして愛……宇相吹は依頼人の歪んだ思いに応え、次々と人を殺めていく…。戦慄のサイコサスペンス開演!!

出典:eBookJapan

舞台は現代の日本。本作の主人公は、自分の手を一切汚さずに殺しの依頼を遂行する謎の男・宇相吹正。彼の赤く光る眼を見た者は、次々と奇怪な行動を起こして周囲に事件をおよぼします。

法律的には一切の証拠がない宇相吹の犯行を追い詰めるべく奮闘するのは、正義感あふれる刑事・多田友樹(ただ ともき)。彼はごく稀に現れるという、宇相吹のマインドコントロールが利かない人間。多田は刑事として宇相吹を逮捕できるのか?そして、宇相吹の目的とは何なのか?息を呑む展開は必見です!

実写映画が2018年2月1日より放映開始!

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本作を原作とした実写映画が松坂桃李さん主演で2018年2月1日より放映されます。宇相吹を逮捕するべく奮闘する刑事、多田友樹が女性(演じるのは沢尻エリカさん)に変更されるなど、原作とはやや設定が異なりますが、予告編を見ても原作とは別の映画として完成度の高い仕上がりが期待できますね。

『不能犯』の見どころ

謎の殺し屋・宇相吹正の正体

本作の大きな見どころといえば、主人公・宇相吹正の正体です。彼の決め台詞のである「…愚かだね、人間は」は、彼が殺しの依頼を完全に遂行した後に、その被害者と依頼者を含めた人間たちを眺めながら発する一言。

宇相吹は本当に悪逆非道な男なんだと思いきや、子どもには一切手を掛けないという意外な一面も持ち合わせています。

なぜ宇相吹はこんなにも簡単に人の心を操ることができるのか?そしてあの赤く光る眼の真相は…?

刑事・多田友樹の苦闘

本作のキーパーソンとなるのが、宇相吹のマインドコントロールが通じない貴重な人間である多田友樹刑事。正義感あふれる彼は、宇相吹に直属の上司である女性を殺されたことを強く心に刻み、ひとりで宇相吹の行動を追っていきます。

宇相吹の正体を負う中で、多田はさまざまな事件に巻き込まれ、自分自身の正義について改めて考えさせられます。果たして多田は宇相吹を捕まえることができるのか…?

醜い人間の感情が渦巻く

本作は宇相吹へ殺しの依頼をしてくる人間と、その殺しの対象者との間の複雑な人間関係が見どころのひとつ。基本的に1話ごとにひとつの事件が解決するのですが、軽快なテンポでありながら醜い人間の感情を細かく描写しているのが魅力です。

嫉妬や憎悪、金、愛情などなど…さまざまなテーマが登場するので、特に心に刺さるエピソードも見つかるはず。

『不能犯』の総評

総合評価:★★★★★

『不能犯』は基本的に1話ずつ事件が解決していくので、サクサク読めて移動時間でもしっかり楽しめました!個人的な総合評価は5段階の「5」。刑事ドラマが好きな方は特におすすめです。ただし、やや過激な描写もあるので大人の方向け。