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『復讐の未亡人』レビュー!妖艶な美人エンジニアの痛快サスペンスドラマ!


今話題の漫画を読んでその感想をレビューする連載企画第9弾。今回の作品は、夫を亡くしたひとりの女性が執拗なまでの復讐を成し遂げる漫画『復讐の未亡人』です。

本作はとあるIT企業に派遣エンジニアとして勤める一人の女性が主人公。容姿端麗で仕事もテキパキこなす彼女は、実のところその会社に対して恨みを持っているのでした。ビジネスの現場を舞台に巻き起こるエロティックなヒューマンドラマです。

今回は僕が本作『復讐の未亡人』を読んだ後の感想・評価をレビューすると共に、本作の概要やあらすじ、見どころも簡単に解説していきます!

『復讐の未亡人』とは?

気鋭の漫画家・黒沢Rによるリベンジストーリー!

本作『復讐の未亡人』は、月刊電子漫画誌「毒りんごcomic(双葉社)」にて連載中の漫画。元々は電子版comicが2016年3月に発売されたのみだったのですが、その後大きな反響を呼び、2016年11月から毒りんごcomicの第9号にて続編の連載が開始されました。

作者は、気鋭の女性漫画家・黒澤R(アール)先生。アシスタント時代は、『みたむらくん』などの代表作で知られる“えりちん”先生や、『ハチミツとクローバー』『3月のライオン』 などで知られる人気漫画家、羽海野チカ(うみの ちか)先生のもとで腕を磨いた作家です。

本作『復讐の未亡人』のほかにも、『先生ごめんなさい』を連載するなど、今話題の漫画家のひとり。特に妖艶な女性のイラストは秀逸で、彼女の手掛けた作品を「表紙買い」してしまう人も多いことでしょう。

物語のあらすじ

復讐は気持ちが良い―― とあるIT企業に勤務する、有能な派遣エンジニア・鈴木密。彼女がその会社に潜り込んだのには、隠された理由があった。夫を追い詰め、自殺に追いやった者たちひとりひとりへ、借りを返すため――

出典:eBookJapan

主人公はとあるIT企業に勤める派遣エンジニアの女性・鈴木密。非常に有能かつ妖艶な容姿を持つ彼女は職場で男女を問わず人気があるのですが、彼女の周囲ではパワハラ課長が突然入院したり、ほとんど仕事をしない創業者一族の息子が失踪したりと、奇怪な出来事が次々と起こります。

それらを手引きしていたのが、鈴木密。彼女の夫はこの会社に勤めていたのですが、じつは過労が原因で自殺を図り、密は未亡人となってしまっていたのです。当時の夫に対して、自殺へとつながる何らかの原因を作った人物に対し、密は次々と復讐を遂げていきます。

『復讐の未亡人』の見どころ

妖艶な未亡人・鈴木密のミステリアスな魅力

主人公の鈴木密は、その美しい容姿で多くの男性を手玉に取ります。妖艶な言動の数々に、読者の男性は思わず心を奪われるはず。復讐の為なら自分の身が汚れることもいとわない異様なまでの意志の強さに注目です!

スカッとする復讐劇

鈴木密が潜入するIT企業には、非常に個性の強い面々が揃っています。密の夫が自殺してしまう原因になったとされる人物は、密の謀略によりことごとく失脚していきますが、その復讐の方法がなんとも痛快。少々過激な内容でありつつ、ちょっとやりすぎでは…と思うこともありますが、それでもこの作品は「勧善懲悪」にも似た分かりやすい構図で、ついつい密のことを応援してしまいたくなります。

互いの足を引っ張りあうビジネスの醜い現場

本作の魅力は復讐劇だけではありません。舞台となるIT企業の背景も結構リアルで、互いが互いの足を引っ張りあって出世を目論む様子などは、非常に説得力があります。中には、仕事ができる上に男性にもモテる密が気に入らない女性などもおり、人間関係の複雑さも見どころのひとつ。彗星のごとく現れた密によって、会社はどう変わるのか?そんなところにも注目して読んでみてください!

『復讐の未亡人』の総評

総合評価:★★★★★

『復讐の未亡人』は、やや過激な性描写が多いですが、読後感の良いスッキリする漫画でした。個人的な評価は文句なしの最高評価「5」です!